人身取引は他人事ではない

悔しがる女性、悲しむ人、悔しい
bohan.mom

日本における人身取引は身近に存在しており、深刻な問題です。特に女性や子どもがターゲットになるケースが多く、性産業や労働力として搾取される事例が後を絶ちません。

まず、現状としては、国内外からの人身取引が増加しており、特に外国人労働者の中には、合法的な手続きを経ずに日本に来るケースも多いです。いわゆる不法入国です。これにより、彼らは不安定な雇用状況に置かれ、劣悪な環境で働かされることが少なくありません。また、売春防止法の存在にもかかわらず、風俗産業における違法行為は依然として蔓延しています。

人身取引は日本でも深刻な問題であり、暴力や脅迫を用いて人を支配し、売春や労働を強要する犯罪です。この問題は、特に社会的に弱い立場の女性や子どもに影響を及ぼします。実際、2022年には46人の被害者が保護されており、その中には日本人が多く含まれています。

資料:内閣官房「人身取引(性的サービスや労働の強要等)対策に関する取組について
(年次報告)(令和5年6月30日人身取引対策推進会議決定)」から政府広報室作成

人身取引の手口は巧妙で、被害者が自らの状況に気づかないことが多いのです。たとえば、借金を理由に労働を強いられることや、パスポートを取り上げられて外出を制限されるケースが報告されています。

自分の身近にも被害者がいる可能性があるのです。借金で働かされている、子どもが売春を強要されている、外国人が監視下にある場合など、疑わしい状況を見かけたら、最寄りの警察署や地方出入国在留管理局に連絡してください。匿名で通報することもできます。

政府も人身取引の根絶に向けた取り組みを進めており、被害者保護のための支援体制が整備されています。私たち一人ひとりがこの問題に関心を持ち、社会全体で解決に向かうことが重要です。人身取引は他人事ではなく、誰もが被害者となり得るのです

内閣府「人身取引対策ポスター」

ABOUT ME
かな
かな
元埼玉県警察官
小学生と幼稚園児の3人を育てる肝っ玉母ちゃん。
警察庁外国語技能検定の北京語上級。交番勤務時代には少年補導や保護者指導を経験。留置場の看守や刑事課での初動捜査ののち、県警本部で外国人の犯罪捜査に従事。
現在は企業や自治体の防犯セミナーに登壇。好きな音楽はGLAY、強火のオタクです。
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