実際に強盗に遭ったらどうする? 自分と家族の命を守るために
もし、自宅に知らない人が押し入ってきたら。突然、刃物を向けられ、お金を要求されたら。
想像するだけでも怖くなりますよね。けれど、覚えておいてほしいことは一つです。お金や物を守るために、自分や家族の命を危険にさらさないこと。
犯人を捕まえることも、証拠を集めることも、その場で被害に遭っている人の役目ではありません。この記事では、強盗に遭遇したときに優先したい行動を整理します。
1.お金や物を守ろうとして、無理に抵抗しない
金品を要求されても、取り返そうとしたり、犯人を押さえつけようとしたりしないでください。相手に凶器が見えなくても、隠し持っている可能性があります。
財布の中から「これは渡す、これは残す」と選別する必要もありません。カードや身分証の紛失への対応は、安全を確保してから考えましょう。
また、突然ポケットに手を入れるなど、相手に意図が伝わらない動作は避けたいところです。物を取り出す必要がある場合も、可能なら「財布を出します」と短く伝えるなど、急な動きを控えます。
ただし、抵抗しなければ必ず安全、という保証はありません。 決まった対応を完璧にこなそうとするより、その場で自分と家族の安全を最優先にしてください。
2.逃げられる状況なら、安全な場所へ
まだ犯人と鉢合わせしておらず、近づかずに外へ出られるなど、安全に離れられる場合は避難を優先します。
一方、犯人のすぐ横を通らなければ出られない、家族が別の部屋にいるなど、状況によっては移動が危険になることもあります。「隙を見て必ず逃げる」と一律に考えないでください。
帰宅時に窓の破損や開いた玄関に気づいた場合も、中を確かめに入らず、安全な場所から110番を。家族が中にいる可能性があるなら、そのことを警察に伝えます。
犯人が立ち去っても、追いかけたり、車のナンバーを見るために外へ飛び出したりしないでください。
3.撮影より、安全な場所からの110番
「証拠を残さなければ」と、隠れてスマートフォンを向ける必要はありません。撮影や録音に気づかれることで、危険が増すおそれがあります。
通報できる安全な状況になったら、110番してください。最初は、次のような短い言葉で十分です。
「強盗です。場所は○○市○○です」
あとは係員の質問に沿って、犯人がまだいるか、けが人がいるか、いつ起きたかなどを伝えます。住所が分からなければ、近くの店や建物も手がかりになります。
警視庁も、110番では場所や被害状況、けが人、覚えている犯人の特徴などを確認すると案内しています。
服装や人数を思い出せなくても、通報をためらう必要はありません。確認するために犯人へ近づかず、分かることだけを伝えてください。
4.被害の確認や片付けは、あとでいい
安全を確保したあとは、けがへの対応を優先します。救急車が必要な場合は119番へ。110番の際にも、けが人がいることを伝えてください。
盗まれた物を調べるために、すぐ引き出しを開けたり、散らかった部屋を片付けたりする必要はありません。大阪府警は、事件現場に残された物に触れたり、現場に入ったりしないよう案内しています。
覚えていることのメモも、安全と通報のあとで大丈夫です。記憶が曖昧な部分を無理に埋めず、「ここは覚えていない」と伝えましょう。
5.自分や家族の対応を責めない
「声が出なかった」「子どもを安心させられなかった」「何も覚えていない」。あとから、自分の行動を責めてしまうかもしれません。
でも、突然危険にさらされた場面で、落ち着いて行動できなかったからといって、あなたが悪いわけではありません。責任があるのは、危害を加えた側です。
家族にも「どうして逃げなかったの」と問い詰めず、まず安全に過ごせる環境を整えてください。つらさが続くときは、警察の被害者支援窓口などに相談できます。体験を無理に詳しく話す必要もありません。
家族で共有するなら、この3つ
日頃の話し合いでは、細かな対処法を詰め込むより、次の3つを共有しておきましょう。
① お金や物のために、無理に抵抗しない
② 犯人を追わない。撮影のために危険を冒さない
③ 安全を確保して、110番する
子どもには「大人を助けるために犯人に近づかなくていい」と伝えておくことも大切です。
何を奪われたかより、まずは自分と家族が助かること。そのための行動を、一番に考えてください。
参考情報
警視庁「こんなときこそ110番」
大阪府警「泥ぼうに入られたら、どうしたらよいのですか?」
警視庁「相談ホットラインのご案内」