大人に叱られても、車には乗らない。小学生監禁容疑の報道から家族で決めたい3つの約束
「大人に叱られたのだから、話を聞かなければ」「自分にも悪いところがあったから、逃げてはいけない」。子どもがそう思い込むと、危険な相手から離れる判断が遅れることがあります。
TBS NEWS DIGは2026年10月6日、神奈川県相模原市の広場で前日の午後4時すぎ、小学6年生の男子児童らとトラブルになった男が、うち2人を車に乗せて監禁した疑いで逮捕されたと報じました。その場にいた別の児童が「胸ぐらをつかまれた」「鎌を向けられ、友達と逃げている」と110番通報したとされています。
男は、子どもたちが自分から車に乗ったという趣旨の説明をしており、容疑を一部否認していると報じられています。捜査中であり、事実関係や経緯のすべてが確定したわけではありません。
子どもの態度と「逃げてよい」は別の話
子どもが騒いだ、口答えをした、何かを壊した——仮に注意される理由があったとしても、武器のような物を持つ相手の車に乗ったり、自宅について行ったりする必要はありません。謝罪や説明は、保護者・学校・警察など信頼できる大人が同席する安全な場所でできます。
大切なのは、「知らない人について行かない」だけで終わらせないことです。会話を交わした直後の人、近所で見かける人、怒っている大人も含めて、怖いと感じたら離れてよいと伝えましょう。
約束1 その場で決着をつけず、人のいる場所へ
「車に乗れ」「家に来い」「親に話がある」と言われても、ついて行かないのが基本です。言い返して説得しようとせず、店、交番、こども110番の家など、人のいる場所へ移動します。
家族で使う言葉も決めておくと実行しやすくなります。「家の人と一緒なら話します」「警察を呼びます」と短く伝え、距離を取る。相手が刃物などを持っていたり、追いかけてきたりする場合は、荷物を取りに戻らず、大声や防犯ブザーで周囲に知らせて逃げます。
約束2 友達を助けるときも、相手に近づかない
友達がつかまれたとき、助けようとして相手に近づくと被害が広がるおそれがあります。離れた場所から大人を呼ぶ、110番する、店へ駆け込むことも立派な「助ける行動」です。
110番では、正確な住所が分からなくても、近くの店や公園、交差点などの目印を伝えます。「何を持っているか」「何人いるか」「どちらへ動いたか」を分かる範囲で話せば十分です。危険が続いているときは、撮影や見張りより自分の安全を優先します。
約束3 家で30秒の練習をしておく
神奈川県警は、一方的に禁止事項を教えるだけでなく、「あなただったらどうする」と問いかけ、繰り返し練習するよう案内しています。
「公園でうるさいと叱られた」「物を壊したと言われた」「親に話すから車に乗れと言われた」。こんな場面を一つ出し、子どもに答えてもらいます。正解を暗唱させるより、逃げる方向や助けを求める店まで一緒に確認する方が実践的です。防犯ブザーがすぐ鳴らせる位置にあり、電池が切れていないかも点検しましょう。
帰宅後は、先に「逃げてきてくれてよかった」
子どもが怖い体験を話したら、最初に安全を確保し、「話してくれてありがとう」「逃げてきてくれてよかった」と伝えます。その場で責めたり、何度も細部を聞き直したりせず、子どもの言葉をできるだけそのままメモします。
事件が起きている、武器がある、連れ去られそうなど緊急性があるときは110番。緊急ではないが不安が残る場合は、最寄りの警察署や警察相談専用電話「#9110」に相談できます。
「悪いことをしたら謝る」と「危険な相手から逃げる」は両立します。まず命と身体を守り、話し合いは安全な大人につないでから。これを家庭の共通ルールにしておきましょう。
出典
- TBS NEWS DIG「小6男児らを鎌持って追いかけ…うち2人を車に乗せ監禁か」(2026年10月6日14時55分公開/事件は10月5日午後4時すぎと報道)
- 神奈川県警察「おおだこポリス4つのおやくそく」(2026年9月17日更新)
- 神奈川県警察「防犯テキスト お子さんへの具体的な指導方法・防犯グッズ」(2025年12月8日更新)
- 警察庁「ご意見・ご要望」(110番・#9110の案内、確認日:2026年10月7日)