「給湯器を点検します」にドアを開けない。家族で決める3つの対応
「ガス会社の依頼で、給湯器を無料点検します」。突然こんな電話や訪問があったら、点検だけならと受け入れてしまいそうです。
しかし、2026年10月9日の共同通信の報道では、点検を装って不要な給湯器工事を契約させた疑いで、業者の関係者8人が逮捕されました。警視庁は、約1年間に19都府県で約5,900人を訪問し、約8億5,000万円を売り上げたとみて捜査しています。これは捜査段階の報道であり、容疑が確定したわけではありません。それでも、同じような訪問が全国の家庭で起こり得ることを示す材料です。
「点検だけ」が高額契約の入口になる
国民生活センターによると、電話や突然の訪問で点検を持ちかけ、契約中のガス会社や自治体の委託先を装う例があります。家に入った後で「このままでは壊れる」「早く交換しないと危険」と不安をあおり、その場で高額な交換契約を勧めるのが典型的な流れです。
2024年の注意喚起で示された2023年度受付分では、給湯器の点検商法に関する契約購入金額の平均は約45万円でした。また、2025年度の全国の消費生活相談でも、分電盤やガス給湯器などの点検商法を含む相談の増加が目立つと公表されています。
家族で決めたい3つの対応
1.約束してしまっても、玄関を開けない
電話で訪問日時を決めた後でも、点検を受ける義務が生じるとは限りません。断ると決めたら、来訪時はインターホン越しに「点検は不要です。お帰りください」と伝え、家の中に入れないことが大切です。名刺を受け取るためにドアを開ける必要もありません。居座る、威圧するなど身の危険を感じたら110番、判断に迷う場合は警察相談専用電話「#9110」に相談してください。
2.相手が示した番号ではなく、自分で調べて確認する
本当に契約先のガス会社やメーカーからの連絡かは、検針票、契約書、公式サイトに載っている窓口へ自分から電話して確かめます。訪問者が渡したチラシやSMSの番号だけで確認すると、同じ相手につながるおそれがあります。離れて暮らす親とは「家の設備を交換する時は、契約前に家族へ連絡する」と決めておくと、急かされた場面でも立ち止まりやすくなります。
3.契約しても、あきらめず188へ
訪問販売に当たる場合、契約書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフできることがあります。8日を過ぎても、説明内容などによって解約や取消しが可能な場合があります。契約書、名刺、チラシ、電話番号、やり取りの記録を残し、工事や追加の支払いを急がず、消費者ホットライン「188」に相談しましょう。
正規の点検まで疑う必要はありません
ガス会社などが行う正規の安全点検もあります。大切なのは、訪問者の説明だけで本物と判断しないことです。「点検は全部断る」ではなく、「いったん玄関を開けず、いつもの契約先へ自分で確認する」。この一手間を、家族共通のルールにしておきましょう。
出典
- 共同通信配信・熊本日日新聞「給湯器点検商法で詐欺疑い 8人逮捕、19都府県訪問か」(2026年10月9日公表。報道による情報)
- 国民生活センター「2025年度 全国の消費生活相談の状況-PIO-NETより-」(2026年8月5日公表。対象は2025年度、2026年5月末までの登録分)
- 国民生活センター「給湯器の点検にご注意ください-70歳以上の高齢者を中心にトラブル急増!-」(2024年2月21日公表。2023年度受付分は2023年12月31日までの登録分)