「声を出せなかった」を責めない。通学電車の痴漢被害に家族で備える3つのこと
通学で毎日使う電車。同じ時間、同じ駅、同じ車両を利用する子どもにとって、生活のリズムが相手に知られることがあります。
2026年10月9日の報道では、児童相談所職員の男が、通学中の女子高校生に電車内でわいせつな行為をした疑いで逮捕されました。報道によると、対象となった行為は9月16日。改札で待ち、車内まで後をつけたうえで、1年以上にわたり同じ生徒への行為を繰り返した疑いがあるとされています。容疑者は認めていると報じられていますが、余罪を含む全容は捜査中です。
ここで考えたいのは、被害に遭った子が「その場で大声を出せるか」だけではありません。怖さで体が動かなかったり、何が起きているか整理できなかったりすることがあります。声を出せなかったことも、すぐ話せなかったことも、被害を受けた側の責任ではありません。
1.「大声を出す」以外の助け方も決めておく
警察庁は、周囲に助けを求める方法として、声を上げるだけでなく、防犯アプリの画面表示なども案内しています。家族で、スマホの防犯機能を開く、次の駅で降りる、駅員のいる場所へ行く、近くの人に画面を見せる、という複数の選択肢を確認しておきましょう。
「必ず捕まえて」「証拠を撮って」と子どもに背負わせる必要はありません。最優先は相手から離れて安全を確保することです。
2.車内だけでなく、駅までの動線も見る
今回の報道では、改札で待ち伏せした疑いも伝えられました。いつも同じ人を見かける、乗る車両を変えても近くに来る、駅の外からついてくる。そんな違和感が続いたら、「気のせい」と片づけず家族や学校に共有してください。
時間や車両を変えることは一時的な安全策になりますが、それだけで終わらせず、駅員や警察へ相談することが大切です。子どもの通学方法を変えるだけでは、相手の行為の責任まで子どもに移してしまいます。
3.打ち明けられた時は、理由より安全を聞く
「なぜすぐ言わなかったの」「どうして逃げなかったの」と尋ねると、子どもが自分を責めてしまうことがあります。まずは「話してくれてありがとう」「あなたは悪くない」「今、安全な場所にいる?」と伝えます。
無理に詳しく聞き出さず、覚えている範囲で日時、路線、車両、相手の特徴をメモします。被害直後であれば、衣服や持ち物が捜査の手がかりになる場合もあるため、洗濯や処分の前に警察へ相談してください。
家族で決めたい3つの約束
- 同じ人が繰り返し近くに来たら、間違いでもいいから知らせる
- 声が出なくても、降りる・画面を見せる・駅員へ行くのどれかでよい
- その日のうちでなくても、いつ話しても責めない
緊急時は110番へ。時間がたっていても、性犯罪被害相談電話「#8103」や、ワンストップ支援センター「#8891」に相談できます。保護者だけで相談してもかまいません。
出典・確認日
- FNNプライムオンライン「女子高校生に電車内でわいせつか」(2026年10月9日公表/報道された対象行為は2026年9月16日)
- 警察庁「痴漢・盗撮事犯対策」(2026年10月12日確認)
- 内閣府「痴漢は重大な犯罪です!被害者は悪くありません!」(2026年6月3日公表)