「家出したい」に届くDM。子どもを責めずに守るため、親ができること
「家出したい」と思うほどつらいとき、SNSで優しく声をかけてくる人が現れたら、子どもはその言葉を助けだと感じるかもしれません。そこにつけ込む大人がいることを、家庭でも知っておく必要があります。
神戸新聞は2026年9月29日、InstagramのDMで面識のない女子中学生を東京へ誘ったなどとして、39歳の男が、わいせつ目的誘拐と不同意性交の疑いで9月28日に逮捕されたと報じました。事件は6月18日から19日にかけて起きた疑いがあり、女子生徒の母親が「娘が自宅からいなくなった」と警察へ相談したことで発覚したとされています。男は容疑を一部否認しており、詳しい経緯は捜査中です。
危険の入口は「知らない人からのDM」だけではない
今回考えたいのは、SNSの使い方だけではありません。子どもが家を出たいほど悩んでいるとき、その気持ちを聞き出せる場所が家庭や学校にあるか、という点です。
警察庁の資料によると、2025年にSNSに起因する犯罪被害に遭った子どもは1,566人でした。SNSで知り合った相手から誘い出され、重要犯罪に巻き込まれる事案も起きています。
ただし、「知らない人と話したから悪い」「家出を考えたから危険になった」と子どもを責めても、次の相談につながりません。悪いのは、子どもの弱っている気持ちを利用して犯罪行為に及ぶ側です。
最初にスマホを取り上げない
心配になると、親は「もうSNSは禁止」「全部見せなさい」と言いたくなります。しかし、罰を恐れると、子どもがDMや会う約束を隠すことがあります。
まずは「怒らないから教えて」「今、安全な場所にいる?」と伝えます。その後で、相手のアカウント、会う約束の有無、日時や移動手段、住所や学校名を送っていないかを一つずつ確認しましょう。問い詰めるのではなく、安全確認のために聞くことが大切です。
会う約束があったら、消さずに記録する
DM、相手のプロフィール、ユーザー名、日時、待ち合わせ場所はスクリーンショットで残します。相手を挑発したり、保護者だけで会いに行ったりせず、警察へ相談してください。子どもと連絡がつかず、居場所も分からない場合は、ためらわず110番へ。緊急ではない相談は警察相談専用電話「#9110」、子どもの犯罪被害や悩みは都道府県警察の少年相談窓口でも受け付けています。
家庭で決めたい3つの約束
- 会ったことのない人から誘われたら、断れなくても家族に見せてよい
- 「親には秘密」「DMを消して」と言われたら、それ自体を相談してよい
- 家にいたくないときは、SNSの相手ではなく、決めておいた大人や相談窓口につながる
家庭で話しづらいことは、学校の先生やスクールカウンセラー、こども家庭庁の「親子のための相談LINE」に相談できます。必要なのは監視を強めることだけではなく、「困ったときに戻ってこられる」と子どもが感じられる関係です。
出典・確認事項
- 神戸新聞NEXT「わいせつ目的誘拐と不同意性交の疑い、埼玉の男を逮捕」(2026年9月29日公表。逮捕は9月28日、事件は6月18日〜19日の疑い。報道に基づく情報)
- 警察庁「令和8年警察白書 統計資料」(2026年9月30日確認)
- 警察庁「STOP!子供の性被害」(2026年9月30日確認)
- 警察庁「都道府県警察の少年相談窓口」(2026年9月30日確認)
- こども家庭庁「親子のための相談LINE」(2026年9月30日確認)