防犯コラム

10月11日から全国地域安全運動。家族で見直す「防犯の3つの穴」

秋の住宅街で、買い物帰りの女性と花の手入れをする住民が下校中の子どもたちを見守るイラスト
bohan.mom

10月は、家の防犯や家族の約束を見直すのにちょうどよい時期です。警察庁は2026年9月17日、10月11日から20日までの10日間、「全国地域安全運動」を実施すると発表しました。

今年の全国重点は、①特殊詐欺の被害防止、②地域防犯力の強化、③犯罪に加担させないための対策の3つです。「防犯運動」と聞くと、パトロールや街頭キャンペーンを思い浮かべるかもしれません。でも家庭では、難しいことを始める必要はありません。まずは15分、家族で“防犯の穴”を見つけるところから始めましょう。

1.電話の「出る前・返す前」を整える

特殊詐欺は、家の固定電話だけの問題ではありません。警察庁は、携帯電話に犯人から電話がかかってくるケースが急増しているとして、国際電話番号などを警告・ブロックする対策を案内しています。

家族で確認したいのは、「知らない番号には必ず出ない」ことより、出てしまった後の行動です。お金、口座、暗証番号、逮捕などの話が出たら、いったん電話を切る。相手が示した番号には折り返さず、カードや公式サイトに書かれた連絡先を自分で調べる。この2つを共通ルールにしておくと、突然の電話でも動きやすくなります。

固定電話で海外との通話を使わない家庭は、国際電話の利用休止も選択肢です。スマートフォンでは、警察庁推奨の無料アプリも公開されています。ただし、アプリを入れればすべての詐欺電話を防げるわけではありません。設定後も「急がせる電話は切って確認する」を基本にしましょう。アプリは広告経由ではなく、警察庁の公式ページから確認すると安心です。

2.家の周りを「逃げ込める場所」から見る

地域防犯力は、見知らぬ人を疑うことだけではありません。子どもの通学路、習い事の帰り道、家族がよく使う駅や店を思い浮かべ、困ったときに入れる場所を確認することも立派な防犯です。

暗くなりやすい道、植え込みで見通しが悪い場所、人通りが急に少なくなる時間帯を一つずつ確認しましょう。そのうえで、コンビニ、交番、子ども110番の家など、「何かあったらここへ行く」という場所を二つ決めます。危険な場所を覚えるだけでなく、助けを求める行動までセットにするのがポイントです。

都道府県警察や自治体の防犯メール・アプリも役立ちます。SNSで流れてきた情報だけで判断せず、発生日時や場所、警察の呼びかけを公式情報で確かめる習慣をつくりましょう。

3.「怪しい仕事」の線引きを言葉にする

犯罪に加担させない対策は、子どもや若者だけに注意を求めるものではありません。家庭で「おかしいと思ったら途中でやめてよい」と共有しておくことが大切です。

仕事内容が「荷物を受け取るだけ」「現金を運ぶだけ」と曖昧なのに報酬が高い、応募前後に身分証や家族の情報を送らせる、匿名性の高いアプリへ移動させる——こうした募集には応じないようにします。友人からの紹介でも、会社名、所在地、仕事内容、賃金、連絡先を公式情報で確認しましょう。

すでに個人情報を送ってしまっても、本人を責めないでください。脅されている場合は、やり取りを慌てて消さず、警察相談専用電話「#9110」へ相談します。今すぐ危険が迫っているときは110番です。

今日の15分で決めること

  • 5分:家族のスマートフォンと固定電話の迷惑電話対策を確認する
  • 5分:よく使う道で、助けを求められる場所を二つ決める
  • 5分:お金・個人情報・仕事の誘いで「一人で決めない線」を言葉にする

防犯は、完璧な設備や知識をそろえてから始めるものではありません。全国地域安全運動をきっかけに、「わが家ではどうする?」を短く話す。それだけでも、いざというときの迷いを減らせます。

出典・確認事項

ABOUT ME
かな
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元埼玉県警察官
小学生と幼稚園児の3人を育てる肝っ玉母ちゃん。
警察庁外国語技能検定の北京語上級。交番勤務時代には少年補導や保護者指導を経験。留置場の看守や刑事課での初動捜査ののち、県警本部で外国人の犯罪捜査に従事。
現在は企業や自治体の防犯セミナーに登壇。好きな音楽はGLAY、強火のオタクです。
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