偽サイトを「見抜く」だけに頼らない。犯罪基盤の停止から考える家族の備え
銀行や通販サイトを名乗るメールを見て、「これ、本物かな」と迷ったことはありませんか。家事の合間や子どもの送迎前など、落ち着いて確認する余裕がない場面もあります。
フィッシング対策を、利用者が偽物を見抜く力だけに任せるのは難しいものです。犯罪に使われる仕組みを止める取組と、家庭でできる備えを分けて考えてみましょう。
偽サイトにつながる「犯罪の基盤」を止める取組
警察庁は2026年10月、Microsoftと日本サイバー犯罪対策センター(JC3)との連携により、フィッシングに使われる犯罪インフラの停止に至ったと公表しました。「インフラ」は、ここでは犯罪を支える設備や仕組みのことです。
資料によると、実態解明は2025年10月から進められ、2026年10月6日に米国で訴訟が提起されました。同月8日の裁判所命令に基づき、停止措置が実施されています。公表と、措置が行われた日は区別して受け止める必要があります。
こうした取組は大切ですが、すべての偽サイトがなくなったという意味ではありません。公表資料だけでは、個々の被害が回復したかどうかも分かりません。家庭での備えも続けましょう。
見た目の判定より、「自分で入口を開く」
警察庁は、企業の名称や送信元のメールアドレスだけで真偽を判断することは難しいと説明しています。「日本語が自然」「いつものロゴがある」だけでは、安心の根拠になりません。
家庭で決めておきたいのは、急がせるメールを受け取っても、そのリンクからログインしないこと。普段使う正規の公式アプリや、あらかじめ確認して保存したブックマークを、自分で開き直します。
例えば「支払いが失敗しました」と届いたら、まず公式アプリで利用状況を確認。分からなければ、カード裏面など信頼できる場所に載る窓口へ連絡します。メール本文に書かれた番号だけを頼りにしないのがポイントです。
入力してしまったら、責める前に対応を
パスワードを入れてしまった場合は、正規のサービスから速やかに変更します。同じものを使い回しているサービスも確認が必要です。カード情報や銀行の認証情報を渡した場合は、カード会社や金融機関へ早急に相談してください。
不正な送金や利用が分かったときは、警察にも相談しましょう。届いたメッセージや入力した日時など、残っている情報は保存します。確認のために偽サイトへもう一度アクセスする必要はありません。
「リンクを開いた」だけなのか、「情報を入力した」のか、「アプリまで入れた」のかで必要な対応は変わります。家族で状況を整理し、相談先へ正確に伝えることが助けになります。
家族の合言葉は「迷ったら一緒に確認」
「どうして気づかなかったの」と責められると、次に困ったときに言い出しにくくなります。まずは「教えてくれてありがとう。今できることを確認しよう」と声をかけてください。
今日できる小さな備えは、よく使うサービスの正規の入口と、相談先を一緒に確認すること。見抜けなかった人を責めず、早く気づいて助けを求められる家庭のルールを作りましょう。
出典・確認日
- 警察庁「マイクロソフト・JC3と連携した犯罪インフラのテイクダウンについて」/広報資料PDF(2026年10月公表。実態解明は2025年10月から、訴訟提起は2026年10月6日、裁判所命令は同月8日)
- 警察庁「フィッシング対策」(一般的な対策案内。ページ上に発表日の記載なし)
出典確認日:2026年10月22日