「電気の点検です」は本物? 分電盤の交換を急ぐ前に家族で確認したいこと
「電気の点検に伺います」と電話が来たら、本物の定期調査だと思うかもしれません。分電盤は、家の電気を各部屋などへ分ける、ブレーカーが並んだ設備です。普段あまり触れない場所だけに、「危険です」と説明されると、判断を急いでしまうこともあります。
国民生活センターは2026年9月16日に分電盤の点検商法を注意喚起し、10月16日には関係機関の案内を追加しました。今回は、正規の電気設備の調査を安心して受けるための確認方法を整理します。
本物の定期調査は、どんな案内で来る?
送配電網協議会によると、一般送配電事業者は電気事業法に基づき、4年に一度、家庭などの電気設備を調査します。国に登録された調査機関へ委託する場合があり、一部地域では送配電事業者の社員が訪問します。知らない会社名だから、という理由だけで偽物とは決められません。
同協議会は、この定期調査の日時は原則として事前に書面で案内し、電話で知らせることはないと説明しています。調査員は身分証を携帯し、調査の際の費用は不要です。訪問した調査員が、その場で設備交換の契約を持ちかけることもありません。
ここでいう無料の調査は、一般送配電事業者が実施する定期調査のことです。自分で依頼した修理や、別の保守契約まで、すべて無料になるという意味ではありません。
身分証だけで判断せず、確認先を自分で選ぶ
事前の案内が見つからない、突然電話が来た、訪問先の説明がよく分からない。そんなときは、その場で家に入れず、「確認してから対応します」と伝えて大丈夫です。制服や身分証の見た目だけで、正規の依頼かどうかを見分けようとしなくても構いません。
確認するのは、地域の電線や配電設備を管理する「一般送配電事業者」です。電気料金の契約先と同じ会社とは限りません。送配電網協議会の公式ページには地域別の問い合わせ先が載っています。そこから窓口を確認し、案内に書かれた会社名、訪問予定日、定期調査の委託先かどうかを尋ねましょう。
「今すぐ交換」の前に、調査と契約を分ける
国民生活センターには、電力会社を名乗る相手の点検を受け、交換工事を契約したという相談が寄せられています。「このままでは火事になる」と言われても、訪問者の説明だけで工事の必要性や価格を判断するのは難しいものです。
例えば「見積書をもらい、確認してから返事をします」と区切る言葉を用意しておきます。家族が不在なら、その場で電話をつないで即決するより、いったん相手に帰ってもらい、落ち着いて書類を確かめる時間を取りましょう。必要な修理まで放置するのではなく、信頼できる事業者へ別途相談することが大切です。
離れて暮らす家族とは、連絡先を一緒に保存
今週末にできる備えは、地域の送配電事業者の公式窓口と、消費者ホットライン「188」を家族で確認しておくこと。「点検の案内が来たら写真を送ってね」と具体的に頼むと、相談のきっかけをつくれます。
契約後でも、クーリング・オフなどができる場合があります。契約書や見積書、相手の電話番号、説明された内容を残し、早めに188へ相談してください。書類が十分にそろわなくても、相談を先延ばしにしないでください。
家族から打ち明けられたら、「どうして信じたの」ではなく「話してくれてよかった」と受け止めること。点検を全部避けるのではなく、確認して受ける手順を一緒に整えましょう。
出典・確認日
国民生活センター「分電盤の点検商法にご注意ください」:2026年9月16日公表、10月16日更新(関係機関の注意喚起を追加)。相談統計の対象は2022~2026年度、2026年7月31日までの登録分。本文では相談件数の数値を使用していません。
送配電網協議会「4年に一度のお客さま電気設備の安全調査の際のご注意事項について」:2025年1月15日公表、2026年9月30日一部更新。対象期間を限定しない定期調査の案内。
確認日:2026年10月25日。家庭での声かけや確認の実践例は、上記資料をもとに防犯マムが整理しました。