詐欺に気づいたのは振込後。それでも、すぐにしてほしい3つのこと
「もしかして、あの振り込みは詐欺だったかも」
そう気づいた瞬間、頭が真っ白になるのは自然なことです。家族が被害に遭ったときも、「どうして振り込んだの?」と問い詰めるより、まずは一緒に連絡を始めることが大切です。
警察庁は2026年9月30日、特殊詐欺の被害金を早く追跡し、口座の凍結や被害回復につなげる官民連携の対象を拡大すると発表しました。6月から参加していた9行に11行が加わり、10月1日から20行の枠組みになります。
何が変わったの?
新しい枠組みでは、都道府県警察から協定金融機関への照会を、警察庁を介してオンラインで行います。回答を早く受け、被害金が移された先の口座にも早期に凍結を依頼しやすくする仕組みです。
警察庁によると、2025年の特殊詐欺被害額は3,257.4億円。2026年上半期だけでも1,816.2億円に達し、被害金の渡し方では振込型が56.9%を占めています。
ただし、連携の拡大は「被害金が必ず戻る」という意味ではありません。口座からすでにお金が移されている場合もあります。だからこそ、気づいた後の速やかな連絡が重要です。
振り込んだ後に気づいたら、まず3つ
1.追加の送金を止める
相手から「確認のため」「返金手続きのため」と言われても、追加で振り込まないでください。やり取りを打ち切り、メッセージや着信履歴、振込画面、明細は消さずに残します。
2.振込先の金融機関へ連絡する
振込先の金融機関に、詐欺被害の可能性があることを速やかに伝えます。金融機関名、支店名、口座番号、名義、振込日時、金額が分かる画面や明細を手元に用意しましょう。連絡先が分からないときは、自分が利用した金融機関にも相談してください。
3.警察へ相談する
最寄りの警察署、または警察相談専用電話「#9110」へ連絡します。今まさに犯人とやり取りしている、受け取り役が来るなど緊急性がある場合は110番です。
「返金します」という連絡にも注意
金融庁は、被害回復を装ってATMへ誘導したり、手数料を振り込ませたりする二次被害にも注意を呼びかけています。公的な返金手続きで、ATMの操作を求めたり、別口座への送金を指示したりすることはありません。
振り込め詐欺救済法により、振込先口座に残っている金額などに応じて、被害額の全部または一部が支払われる可能性はあります。ただし、申請が必要で、全額返金が保証される制度ではありません。詳しい手続きは振込先の金融機関に確認してください。
家族で決めたい「責める前に連絡」
詐欺は、本人を焦らせ、誰にも相談させないように仕向けます。被害に気づいた家族へ最初にかける言葉は、「どうして」ではなく「今から一緒に連絡しよう」で十分です。
金融機関の連絡先、最寄りの警察署、#9110を紙に書き、家族の目につく場所に置いておくと、いざというとき動きやすくなります。被害を責めないことも、次の被害を防ぐ大切な防犯です。
出典
- 警察庁「特殊詐欺に係る被害金の追跡、凍結、回復に指向した官民協働型枠組みの協定金融機関の拡大について」(2026年9月30日発表、2026年10月1日から運用拡大)
- 金融庁「振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ」(2026年10月1日確認)