子どもから相談がない。それだけで「何もない」と言えるだろうか
子どもに関わる仕事の人が、子どもへの性加害を疑われる事件。報道を目にして、何を信じればいいのかと感じた方もいるかもしれません。だからこそ考えたいのは、子どもが困ったときに頼れる先を、一つにしないという備えです。
今回の報道で分かっていること
テレビ愛媛は2026年9月24日、県の児童福祉司が、SNSで知り合った少女への性加害の疑いで再逮捕されたと報じました。今回の容疑の対象日は3月30日。別事件の捜査から被害が浮上し、今回の件では少女から警察への相談や被害届はなかったとされています。
ただし、少女が相談しなかった理由や、誰かに話していたかは、この報道だけでは分かりません。職務上の関係を利用した事件だったとも断定できません。ここからは個別の事情を推測するのではなく、家庭の備えについて考えます。
話さない理由を、大人が決めない
「本当に困っていたら言うはず」「嫌なら断れるはず」。そんな前提で子どもを見ると、言葉にできない困りごとを見落としてしまうかもしれません。相談がないことだけで、何も起きていないとは判断できないはずです。
一方で、口数が減ったなどの変化だけで被害を決めつけることも避けたいところ。「最近どう?」「話したくなったら聞くよ」と声をかけ、いつもの会話を続ける。何かを聞き出すための時間ではなく、安心して過ごせる時間を意識したいですね。
親以外の相談先があってもいい
「何でも私に話して」と願うのは自然です。それでも、親だからこそ話しにくいことがあるかもしれません。そんなとき、学校の先生、スクールカウンセラー、専門の相談窓口など、別の入口があることは大切です。
今夜できるのは、子どもと「困ったとき、誰に話せそう?」と考えること。候補は一人に絞らず、「その人に言いにくければ、別の人でもいい」と添えてみる。電話が苦手なら文字で相談できる窓口もあると、一緒に確かめておけます。
打ち明けた後も、子どものペースを守る
話してくれたら、最初は受け止めることから。内閣府の資料は、無理に詳しい話を聞き出さず、支援する専門機関と相談しながら対応するよう案内しています。家庭だけですべてを解決しようとする必要はありません。
性暴力についての相談先には、ワンストップ支援センター「#8891」があります。警察の性犯罪被害相談電話は「#8103」。文字での相談先も、こども家庭庁の案内ページから確認できます。差し迫った危険は110番です。
子どもを守る責任を、子ども本人や親だけに背負わせたくありません。家庭、学校、支援機関がそれぞれ頼れる入口になること。今は話せなくても、後から話せる場所が残っていること。その備えを増やしていきたいと思います。
出典・相談先
※2026年9月25日時点の報道・公的情報をもとに作成。事件の記述は報道に基づき、本文の家庭への提案とは区別しています。