「情報漏えいのお知らせ」に慌ててログインしない。家族で行う3つの初動
「個人情報が漏えいした可能性があります」。そんな通知が届くと、反射的に「確認する」を押したくなります。しかし、実際の漏えい発表に便乗し、偽のログイン画面へ誘うメールやSMSが届くこともあります。まず必要なのは、急いで入力することではなく、入口を変えて事実を確かめることです。
新しい窓口は企業向け。家庭の相談先とは別です
IPAは2026年10月16日、国内の幅広い事業者による不正アクセス被害の公表が相次いでいるとして、「不正アクセス特別相談窓口」を開設しました。対象は、被害を受けた、またはその可能性がある全国の企業・組織です。個人が届いた通知の真偽を確認する専用窓口ではありません。
一方、警察庁は「個人情報の漏えい」「不正アクセス検知」など、切迫感をあおって偽サイトへ誘導する手口を紹介しています。企業名や差出人のメールアドレスが正しく見えても、それだけでは本物と判断できません。
1.通知のリンクを使わず、公式発表を探す
メールやSMSのリンク、検索結果の広告は開かず、普段使っている公式アプリや保存済みのブックマークから入ります。会社名と「重要なお知らせ」「セキュリティ」などで検索する場合も、URLのドメインを確認し、公式サイト内の発表を探しましょう。
そこで、対象サービス、発生時期、漏えいした可能性のある情報、利用者に求める対応を確認します。「ニュースで漏えいを見た」ことと、「自分の情報が対象である」ことは同じではありません。問い合わせる場合も、通知に書かれた番号ではなく、公式サイトの窓口を使います。
2.使い回したパスワードから止める
IDやパスワードが対象なら、公式画面から変更します。同じ組み合わせを使っている別サービスも変更対象です。特にメールアカウントは、他サービスのパスワード再設定に使われるため、同じパスワードなら先に守りましょう。変更後は、登録メールアドレス・電話番号、ログイン履歴、購入履歴を確認し、利用できる場合は多要素認証やパスキーも設定します。
住所や電話番号だけの漏えいと、ログイン情報やカード番号の漏えいでは対応が異なります。何でも一斉に解約するのではなく、公式発表の範囲に合わせることが大切です。
3.身に覚えのない動きは記録して連絡する
不審なログイン、注文、送金があれば、日時や画面を保存し、まずサービス提供会社へ。カードの不正利用はカード会社、不正送金は金融機関にも速やかに連絡します。フィッシングサイトへ情報を入力した場合は、同じ認証情報を使う全サービスの変更と、警察への相談も検討してください。
個人の技術的な相談には、IPAの「情報セキュリティ安心相談窓口」があります。家族では、親が管理する子どものゲームや学習サービスも含め、「届いた通知からは入らない」「公式アプリから確かめる」を合言葉に。被害に気づくのが遅れた人を責めず、一緒に履歴を確認しましょう。
出典・発表日・対象期間
IPA「不正アクセス特別相談窓口の開設について」(2026年10月16日公表・同日13時開設)。対象は全国の企業・組織。直近の複数事案を背景とする発表ですが、集計対象期間や被害件数の記載はありません。
警察庁「フィッシング対策」。継続的な対策ページで、確認できる本文に公表日・統計対象期間の記載はありません。
IPA「インターネットサービスへの不正ログインによる被害が増加中」(2025年8月28日公表)。相談件数の記載は2025年7月(144件)が対象。
IPA「情報セキュリティに関する技術的なご相談」(最終更新日2026年8月27日)。個人向け相談窓口の案内。統計は2017~2025年の年間相談対応件数。
情報確認日:2026年10月21日。家庭での確認手順は、上記一次情報を基にした編集部の整理です。